こんにちは、パンダです。片づけを教えて12年になります。
片づけって、単に物がどうこうなれば済むって話じゃないんです。逆にいうと、物がどうこうならなくっても、スッキリする場合もあります。
片づけの相談に来る人から、いちばんよく聞く悩み、分かりますか?
「家族の物が多くて、片付かないんです」
「私ばっかり片づけてる」
「家族が全然協力してくれない」
キッチンから片づけスタート
以前、うちの講座を受講してくれた、Mさん。
彼女が、一番最初に相談に来た時のセリフも、正にで
「キッチンとかリビングとかは、そんなに散らかってないんです。ただ、主人の物が多くて・・・」
「ああ、そうですか。分かりました。ただ、うちは『キッチンファースト』といって、キッチンから片づけながら、物との向き合い方を練習していって、徐々に、片づけの考え方を身につけていく、っていうやり方ですけど、いいですか?」
「はい、大丈夫です」
というわけで、半年間のオンラインのコミュニティに入ってもらいました。
レッスンがスタートする際に、家中の写真を撮ってもらったり、カメラで部屋を見せてもらったりするんですが、確かに、生活ゾーンは物が溢れている感じもないし、むしろ日々を丁寧に暮らされている感じ。
Mさんご自身の物も、そんなにないし、一つ一つにもこだわりがある感じ。
そして、問題のご主人の物はというと、まあまあ、やらかしていらっしゃいました。ご自身の部屋はもちろんのこと、みんなの共有スペースで、Mさん的には、ゆくゆくはシアタールームにしたいと思っていたロフトにも、あるわあるわご主人の物。
車、カメラ、自転車、釣り、スキー・・・大物から小物まで。とはいえ、ご主人もご主人なりに、棚に整理したり、Mさんも他にはみ出さないようにと、頑張りが見えました。
さて、じゃあキッチンからやりますか!
自分でも気づいてなかった小さな我慢
ということで、キッチンの物一つ一つと対話しながら、Mさんのこれまでの暮らし、そして、これから送りたい「暮らし方」に向けて、一緒に確認していきました。
物は何でも教えてくれます。
実は、Mさんは、結婚されてからずっと、お姑さんと同居されていました。いわゆる『嫁』だったわけです。ただ、嫁姑のバトルなどはなく、お姑さんも優しい方で、近所にいらっしゃるお義姉さんとも仲良し・・・のはずでした。
お姑さんが施設に入られたタイミングで、お子さんも大きくなり、そろそろ「自分の人生を生きたい」と思い、キッチンファーストに入られたそうです。
物は何でも教えてくれます。
一緒に住まわれていた時は、文句も言わず、仲良くやっていたハズだったけど、
・本当はこういう食器は好きじゃない
・片手鍋が大嫌い
・私にこの道具は必要ない
これまでの「小さい我慢」が、たくさん出てきました。
別に、お姑さんのことを恨んでるわけじゃない。それでも、やっぱり他人が家に入るというのは、大変なことです。お互いに。私も経験があるので分かります。
旦那の部屋がドンキホーテになった日
そんな、細かい「物との対話」を繰り返しながら、家中の暮らしの仕組みができてきて、Mさんの頭がスッキリしてきた、ある日のレッスンの日。
ZOOM越しに、Mさんが満面の笑みで座っていました。笑みを通り越して、爆笑に近かったかも。
「旦那の部屋が、ドンキホーテーみたいになってるんです」
実は、キッチンファーストに申し込んだ時点で、Mさんの覚悟は決まっていて、旦那さんに、「このままじゃあ、これから先、一緒には生きていけない」と宣言していたのです。
とはいえ、お申し込みから講座スタートまで、2ヶ月ほどあいたので、旦那さんも呑気にしてたんだと思います。ですが、家がどんどん片づいていって、やっとMさんの、あの日の発言が本気だったことに気づいたのでしょう。
シアタールーム予定の部屋の物を、自分の部屋へ、せっせこ運び出したんです。とはいえ、元々その部屋の物もMAX。そこへ運び込んだんだから、物は天井に向けて伸びていくしかありません。結果、部屋がドンキホーテーみたいになっちゃったそうです。
その後、無事にシアタールームは完成し、家族で仲良く、ビールを飲みながら、ワールドカップ観戦をされたとか。
そして、Mさんは自分のやりたいことに時間を使いながら、のんびりと暮らされています。相変わらず、ご主人の部屋は「ドンキホーテー」みたいだそうですが、そんなことも、どうでもよくなったみたい。
片づけたのは自分の物だけ
最初、Mさんの悩みは「主人の物が多くて」だったんです。 でも、彼女が半年かけてやったのは、ご主人の物を1個も触らず、ただ自分の物と向き合うことだけ。
なのに、気づいたら家が回り出して、シアタールームができて、あんなに気になってたご主人の「ドンキホーテー部屋」さえ、どうでもよくなっていた。
人の物って邪魔なんですよね。自分の物は棚に上げて、人のものばかり目につく。 だから、つい「家族のせいで片づかない」って思っちゃう。わかります。
でもね、「じゃあ、あなた自身の物はバッチリ片づいてます?」って聞くと、だいたいみんなフリーズします。 いやいや、責めてるんじゃないんです。気づくことが第一歩。それでいいんです。
家族の物が気になる気持ちは、ちょっと横に置いといて。 まずは、自分の物だけ、完璧に終わらせてみる。
ここで言う「終わらせる」は、単に捨てて減らすではなく、 「これは、今の私にいる」「これは、もういらない」を、自分の手で選び抜くことです。
物が何でも教えてくれる
そうやって自分のテリトリーが片づくと、Mさんみたいに、心も頭もスッキリして、見える景色が変わってくる。 家族のことは、それからでいいんです。
・気づいたら、家族が勝手に片づけ出していたり
・収納が使いやすくなって、自然と協力してくれるようになったり
・実は、家族はあなたに遠慮して、手を出してなかっただけだったり
自分が整って、自分の機嫌を、自分で取れるようになると、家族のことまで、回り出したりするから不思議です。
「家族が片づけてくれない」の答えは、家族の中じゃなくて、 ずっと、あなたの中にあったのかもしれません。
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片づけパンダ/パンダみゆき
山口県宇部市を拠点に、オンラインで全国の方に片づけを教える片づけライフコーチ。指導歴12年、のべ3,000名以上。2020年からオンラインの片づけコミュニティ「キッチンファースト」を主宰しています。教えているのは、収納術でも根性論でもなく、片づけに困らなくなるための「考え方」そのもの。人生から『片づけの悩みそのものが消えていく』——そこを目指しています。


