毎日料理して、毎日片づけて、また料理して。
暮らしの中で一番使う場所だから、片づけもキッチンから始めることが多いんです。
キッチンの片づけをしていると、その人がどんなふうにメニューを考えて、どんなふうに買い物をして、どんなふうに料理をしているかが、自然と見えてきます。
その中で、たまに思うことがあるんです。
みんな、料理の名前に縛られすぎ。
先日も、こんな受講者さんがいました。
「材料が足りないとメニューが作れないから、つい多めに何でも買い込んじゃって……結局腐らせちゃうんですよね」
気持ちはわかる。
でも、そもそも名前のある料理を作ろうとするから、材料が足りなくなるんです。
肉じゃが、青椒肉絲、ホイコーロー。
名前のある料理を作ろうとすると、材料を全部揃えなきゃいけなくなる。合わせ調味料も買わなきゃいけなくなる。足りないものがあると、作れない気がしてしまう。
でも、肉じゃがだって、鶏でも豚でも牛でもツナでも何でもいいじゃないですか。
じゃがいもがなかったら、冷蔵庫にある野菜で、肉じゃが風に作ってみたら、意外と美味しいかもしれない。
料理に、決まりなんてないんです。
かつては、私も名前のつくメニューを作らなきゃと思っていました。
確かに、作ったことのない料理や食べたことのない料理は、イメージが湧きません。やったことがないと、なかなか自由にもなれない。
でも、失敗を重ねるうちに、「あ、これなくていいんだ」とか「ここ手抜きできるじゃん」って気づいていって、だんだんズボラ料理へと転換していきました。
美味しくて、健康によくて、家族が笑顔になれたら、それだけでいい。
だって、家の料理って誰かに説明するわけじゃないんだから。
その日スーパーで安かった旬の野菜と、その日特売だったお肉。それをちょっといいお塩とオリーブオイルで焼いただけで、十分ご馳走になります。名前なんかなくていい。「今日の炒め物」で全然いいんです。
むしろ、高い合わせ調味料をわざわざ買うくらいなら、いつも使っているお塩やオイルを、ちょっとだけ良いものにしてみてください。それだけで、素材の味がぐっと生きてくる。旬の野菜が、びっくりするくらい美味しくなる。
片づけも、料理も、引き算です。
足せばいいんじゃなくて、余計なものを減らした時に、素材の本当の味が出てくる。
我が家のおかずに、名前なんかいらない。
今日も、冷蔵庫にあったものを、美味しいお塩で焼いただけです。それで十分。
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片づけパンダ/パンダみゆき
山口県宇部市を拠点に、オンラインで全国の方に片づけを教える片づけライフコーチ。指導歴12年、のべ3,000名以上。2020年からオンラインの片づけコミュニティ「キッチンファースト」を主宰しています。教えているのは、収納術でも根性論でもなく、片づけに困らなくなるための「考え方」そのもの。人生から『片づけの悩みそのものが消えていく』——そこを目指しています。


