「もったいない」の本当の意味
片づけで避けて通れないのが「捨てる」という行為。
そして多くの人が、その時に直面する「もったいない」という感情・・
小さい頃から私たちは、
「そんなの捨てたらもったいない。まだ使えるのに」
と言われて育ってきました。
確かに、「まだ使えるものを捨てる」のは、本当にもったいないことだとパンダも思います。
ただ、本当に「捨てないこと」はもったいなくないんでしょうか?
「もったいない」という言葉を辞書で引くと、「まだ使えるものがうまく活かされていない状態」とあります。
今、あなたの手元にあるそのモノ、本当に全部、これから“活かされる”でしょうか?
「まだ使える」のと「実際に使っている」のは、まったく別の話。
捨ててないからと言って、「もったいなくない」かと言うと、そうではないということです。
100本のボールペンの末路
例えば、家にボールペンが100本あったとします。
それを全部使い切るまでに、いったい何年かかるでしょうか?
多くの人は、書けるか書けないかで分けると思います。
「書けるボールペンは残し、書けないものは捨てる」
でも、今は書けるボールペンも、そのまま放置され、そのうち書けなくなって捨てられる。
これは、もったいなくないですか?
もらった時にすぐ手放すのと、何年も寝かせてから捨てるのとで、モノからしたら「活かされなかった事実」に違いはありません。
あるとすれば、まだ書けるペンを捨てる『私たち側の罪悪感』だけなんです。
豊かな国、日本🇯🇵
そうは言っても「罪悪感」がゼロになって、物をバンバン捨てたらいいかっていうと、全くそうは思っていません。
私は、これまでに多くのご家庭を訪問してきました。そんな中、本当にたくさんの物の処分に立ち会ってきました。本当に、胸が痛いです。
特に、お子さんが巣立ったあとのご家庭では、日本がいかに豊かで、どれだけのモノがムダにされているかを実感することが多々あります。
ピアニカ、リコーダー、彫刻刀、コンパス、分度器、書道道具、絵の具セット…などの学用品。お子さんが3人いらっしゃれば3人分です。
もちろん、製造業者さんの仕事も必要だし、もしかしたら、そのことがきっかけで、その道のプロになった方だっているだろうし、見極めが難しいけど、本当に全員に全部必要なのかなあ・・・・と疑問に思わずにはいられません。
最近は、お下がりもダメとか、むしろ、業者との癒着とか、利権的な臭いすらします。
まあ、それはさておき、この学生時代の数年間、数えられるほどしか使われなかった物たち、本当にもったいないです。だって、まだまだ使えるのに、もう活かせないんですから。
しかも今は習字の硯(すずり)すらプラスチック製で、昔ほど、『物』としての価値もエネルギーも、還元力も減っていて、地球にとっても全然良くないよなぁと悲しくなってきます。
でも、これが、今の日本の現状なのです。
物を活かして罪悪感を減らす
そんな、やりきれない思いを少しだけ和らげてくれるのが、リサイクルやリユースです。
もちろん、必要ない物や使わなくなった物を、リサイクルショップや、フリマアプリで、必要な人に使ってもらうのは、悪いことだとは思いません。
少なくとも、自分の家の押し入れで、存在を忘れられるよりは、「活かされる」可能性は広がります。
ただ、日本はまだまだ豊かな国ですし、日本人の暮らし方は、本来とても効率的で、そんなに物を必要としません。
だから、正直、リサイクルショップやフリマで買っているモノも、「必要でないモノ」だったりします。
そう言う意味では、贅沢に物を選べます。
なので、焦げたフライパンなんて、引き取ってもくれないし、買ってくれる人もまれです。
けれど、世界には、まだまだそんな物でも、喜んで大切に使ってくれる人たちがいます。そんな途上国のリサイクルショップへ寄付する活動をされている団体などもあり、私もたまに利用させてもらいます。
ただ、ただ、絶対に勘違いしちゃいけないのは、決して「良いこと」をしてるんじゃないってこと。
自分の罪悪感を、少しだけ和らげてもらってるって事に、むしろ感謝なのです。
そして、この豊かな国に生まれ、幸せに過ごせていることにも感謝です。
片づけに必要なのは“選び直し”
モノが多いと、「入らないから新しい収納を買おう」「カゴを買い足そう」と思ってしまいがちです。
でも、そのモノは、本当に全部必要でしょうか?
こんな風に、片づけと聞くと、いまだに「収納グッズ」を探し回る人も多いですが、実はその前にやるべきは、「本当に必要なモノ」を選び直すことなんです。不要なモノが減れば、スペースも自然と空きます。
そうなると、最終的に、「便利そう」と思って買った収納グッズが、大量に不要になる、ということが起きます。
実際、私の片づけサポート現場でも、最後に手放す物で、一番多いのが『カゴ』だったりします。
収納用品を買いに行くためのお金、時間、そしてそれを置くためのスペース。
それらすべてが実はムダになっているとしたら——。暮らしを圧迫するモノたちに囲まれて、ストレスを抱えることも「もったいない」のひとつです。
「捨てる」が平気な人にはならない
片づけの仕事をしていると、「捨てるのが平気な人」と思われがちですが、全然そんなことはなくて、むしろ逆です。
片づけのサポートで「ゴミ袋が20個もでました〜」っていう発信。パンダもやったことはあります。で、そういうのを見ると、「わ〜こんなに捨てられたんだ〜」となるかもしれません。
でも、本当に感じて欲しいのは、そっちではなくて、「こんなに必要ない物と一緒に暮らしていた」という事実です。
ゴミが出たからスッキリしたんじゃなくて、ゴミが家から無くなったからスッキリするんです。
そして片づけの問題は、『出口』ではなく『入口』です。
ゴミを出すのがえらいんじゃない。ただ、この「今の自分に必要ない物」を出さない限り、『捨てる罪悪感』を受け止めない限り、これから先も、入口で永遠に「もったいない」を生み出し続けてしまいます。
もちろん、自分の意思と関係なく、家に入ってくるものもあるでしょうが、「もったいない」はその物を持った時点から始まっているのです。
「もったいないから捨てられない」のではなく、
「活かされていないことこそが、もったいない」と気づけたとき、片づけは自然と進み始めます。
「もったいないの本当の意味」をしっかりと受け止めて、できる限り『活かされる物』だけを持つ自分になるためにも、「捨てる=もったいない」といった、間違った「もったいない」を手放してください。
最終的にすべてのモノはゴミになります。
ゴミを1つも出さずに暮らすことは難しいです。
だからこそ、自分の暮らしにとって「本当に活かせるモノ」だけを選んで持つ。これこそが、究極の片づけ、そして、究極のエコなんだと思います。
せっかく生まれてきた物たち、できたら、そのお役目が終わるまで使い切ってあげたいですよね。
ここを片づけの最後にしてください
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片づけパンダ/パンダみゆき
山口県宇部市を拠点に、オンラインで全国の方に片づけを教える片づけライフコーチ。指導歴12年、のべ3,000名以上。2020年からオンラインの片づけコミュニティ「キッチンファースト」を主宰しています。教えているのは、収納術でも根性論でもなく、片づけに困らなくなるための「考え方」そのもの。人生から『片づけの悩みそのものが消えていく』——そこを目指しています。


